安心の教育体制
看護のコンセプト
私たちは患者さんに向け『元気に“歩いて”帰ろう』をコンセプトに日々努力しています。
離床時間を長くできるよう自立を援助し、患者が望む場所で生活していけるように退院後を見据えた看護を目指しており、他職種と連携した企画・活動(介護予防の体操やレクリエーション活動など)も積極的に行っています。
教育面
教育面では当院独自のクリニカルラダーで段階的・実践的に専門知識を習得することが可能です。
内藤病院でのPNSの取り組み
当院では、平成27年よりPNS(パートナーシップ ナーシング システム)を導入しています。
2人で患者さんを看ることができる安心感があり、お互いに学び、高めあっていく関係性を築くことができます。
PNSとは
PNS(パートナーシップ ナーシング システム)の定義
「看護師が安全で質の高い看護を提供する事を目的に、2人の看護師がよきパートナーとして対等な立場で互いの特性を生かし、相互に補完し協力し合って、毎日のケアをはじめ、その成果と責任を共有する看護方式」
PNSは、複数の患者を2人で受け持ち看護提供を行うということです。
- 看護師同士がお互いの違いを活かし、補完し合って、先輩・後輩という上下関係ではなく対等・平等な関係であること
- 患者を中心とした看護活動の目的を話し合い、共有し、同じ認識を持つこと、馴れ合いではなく信頼感と緊張感のある関係であること
- お互いが持つ知識・技術を開示し可視化させること
これらが必要となります。
PNSのメリット
- 看護の可視化による手抜きのない看護実践
お互いのマニュアルに基づいた看護実践に加え、患者との会話、しぐさ、気配りなど、普段見えなかった看護実践がよく見えます。
同業他者の目が入るため、必然的に緊張感がお互いに高まります。その事が「手抜きできない」「手抜きのない」看護実践に繋がっていきます。 - 看護の伝統・伝授
看護実践に必要な知識は多様であるが、言葉や図表に表せない暗黙知と呼ばれる部分も多いです。経験を積んだ看護師と一緒に日常的に経験を重ねることで、ベテランから中堅、新人へとマニュアル的な知識や暗黙知が伝わっていきます。
実践場面での教育ではありますが、若手看護師への教育だけでなく、ベテランも自分の看護を振り返る良い機会となります。 - 安全・安心な看護の実践
PNSでは目の前にペアがいるため、1人の時のように誰かを探す手間が省け、必要な時に声を掛け合って処置や看護ケアをすぐに実践することができます。
また、2人で行うことで負担感が軽減され、ケアもスムーズに効率よく終えることができます。
患者にとっても2人でケアを行ってくれるので時間も短縮され、患者、看護師がともに安心して、安全に処置や看護ケアを行うことができます。 - 新人・先輩に対する教育効果・人材育成
PNSでは先輩と患者の会話を目の前で見て学習する事ができます。
一方、先輩は新人・若手看護師の所作や観察方法をみて、その場で間違いの指摘や正しい方法を教えることができます。
さらに、先輩は新人・若手看護師が行う新しい看護技術をみることができます。
患者観察やバイタルサインの測定結果から、様子をみるべきか、すぐに報告すべきか迷って不安に思うときも、ペアがそばにいるので一緒に見て意見を求めるなど、適切な判断を下すことが可能になります。 - 看護記録のリアルタイムな記載
1人が患者の観察やバイタルサインの計測を行い、ペアの看護師は患者との会話や計測値を聞きながら、リアルタイムで電子カルテに入力することができます。
PNS導入により、迅速な看護展開が実現し、ベッドサイドでリアルタイムに記載する看護記録は、電子カルテのメリットを医療チームで共有するものとなります。 - 残業の減少、ワークライフバランスの実現
PNSが浸透して補完体制が充実してくると、残業が減少し、ワークライフバランスが実現でき、個人の自由な時間、家族との時間をもてるようになります。 - 職場の活性化
担当患者の情報を共有するには、お互いのコミュニケーションが重要となります。互いに対等に話し合わなければ情報は伝わりません。
そして、互いの看護実践を見聞きし相互の教育効果により、ペアに良好な人間関係が生まれます。