内視鏡検査・治療

消化器内科 医師紹介

内視鏡的検査・治療とは

検査方法の進歩により早期のうちに見つかるがんが増えてきました。

がんの治療には様々な方法がありますが、リンパ節に転移している可能性が極めて低い早期の胃がん及び大腸がんに対しては、内視鏡を使っておなかを切らない治療方法が用いられるようになってきています。

当院では大腸ポリープに対する内視鏡治療はもちろん、早期胃がん、大腸がんの内視鏡治療も数多く行っています。

【画像】内視鏡検査

2015年5月 内視鏡システムを更新しました。

疾病の予防・早期発見が重要視されている現在、内視鏡による診断、治療は画像・操作性など機器精度の向上、そして開腹手術に比べ低侵襲治療であり患者さんの身体的負担軽減につながります。

内視鏡検査について

胃がん、大腸がんの早期発見には内視鏡検査が必要です。

特に近年日本人に増えてきている大腸がんは、発生する部位によっては症状が出にくく、進行した状態で発見されることもしばしばあります。 胃がん、大腸がんは早期に発見し治療を行えば、治る割合が極めて高くなる調査結果があり、定期的な検査は早期でがんを発見するために非常に重要であると考えられます。

内視鏡検査を受けられる方への負担を少しでも軽減させるため、当院では様々な工夫を行い、「やさしい内視鏡検査」を心がけています。

  • 内視鏡検査は女性医師が担当することが可能です。 詳細は当院外来担当までご連絡ください。
    (通常は月、木曜に予約を行います。)

上部内視鏡検査(胃カメラ)

上部内視鏡検査で分かる疾患

  • 胃炎
  • 胃潰瘍
  • 胃がん
  • 食道がん
  • 逆流性食道炎
  • 胃ポリープ

検査の流れ

01.検査前診察

普段お薬を服用している方は医師にご相談ください。

02.検査予約

03.検査前日

検査前日の夕食は午後9時までにお済ませください。

04.当日

朝ごはんは何も食べないでお越しください。 水またはお茶は飲んでも構いません。

05.検査前処置

検査着に着替えていただきます。
胃の中を綺麗に見やすくするため少量の消泡剤を飲みます。
喉の奥に麻酔スプレーをして、内視鏡カメラが通るときの苦痛を軽減します。
ご希望の方には鎮静剤を投与しますが、車等での来院はお控えください。

06.検査

横を向いた状態で内視鏡カメラを口または鼻から入れていきます。
力をぬいてリラックスした気持ちで受けましょう。
検査時間は10~15分程度で終了いたします。

07.休憩

鎮静剤を使用した場合、個室で休んでいただきます。

08.説明

医師の説明があります。
組織等を採取した場合は、後日説明になることもございます。
約2週間ほど掛かります。

09.精算

下部内視鏡検査(大腸カメラ)

下部内視鏡検査で分かる疾患

  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • 潰瘍性大腸炎
  • 過敏性腸症候群

下部内視鏡検査の流れ

01.検査2~3日前

便秘しやすい方は、2、3日前から消化の良い食べ物をとるようにしてください。
医師の判断で下剤を服用してもらうこともあります。

02.検査前日の夜

夕食は20:00までにお済ませください。 消化のいい食べ物をお召し上がりください。
検査食の販売もございます。

消化にいい食べ物
  • うどん
  • おかゆ
控えてほしい食べ物
  • 海藻、きのこ類

03.検査当日の朝

検査までは何も食べないでご来院ください。水またはお茶は飲んでも構いません。

04.来院

検査説明後、電子同意書にサインをお願いします。更衣室で検査着に着替えていただきます。

05.前処置

下剤をご自宅で内服後来院していただきます。自宅で内服できない方はご相談ください。便の色が透明な黄色になるまで待ちます。ご希望の方には鎮静剤を投与しますが、車等での来院はお控えください。

06.検査

検査時間は30分~1時間程度かかる場合もあります。ガスが出ますので、我慢せず出してください。

07.検査後

回復室でしばらく休みます。
鎮静剤使用の場合は1時間程度休んでいただきます。

08.ご精算

胃・十二指腸の疾患

胃がん

胃がんは胃の内壁の細胞ががん化し、悪性腫瘍が形成される病気です。 ヘリコバクターピロリ感染により胃の内壁が慢性的に炎症を起こすことが一因と考えられます。他にも、塩分の摂りすぎや加工肉の摂取など、食事の偏りや不健康な食生活、喫煙や大量のアルコール摂取は胃がんのリスクを増加させます。

【イラスト】胃がん

胃がんの症状

早期段階では特に症状はありませんが、進行すると下記の症状が現れることがありあます。

  • 胃痛や不快感
  • 食欲不振や体重減少
  • 食後の満腹感
  • 胃もたれ感
  • 吐血
  • 黒い便

胃がんの治療

胃がんのステージや患者さんの健康状態によって、外科的治療、化学療法、内視鏡的治療などの治療法を組み合わせる場合もあります。

胃ポリープ

胃ポリープは胃の内壁にできる小さな隆起物であり、一般的には良性でリスクは低いですが、悪性に進展することもあります。
内視鏡検査で早期に発見されれば、切除することができますが、ポリープの大きさや状態によってはメスを使った手術になります。

ポリープの種類

胃ポリープは、「胃底腺ポリープ」「過形成性ポリープ」「腺腫性ポリープ」3つの種類に分けられます。

  • 胃底腺ポリープ
    比較的良性のポリープです。経過観察で様子をみます。
  • 過形成性ポリープ
    ピロリ菌の感染が関係しています。 良性のポリープですが大きくなると、胃の内容物と接触し出血して貧血の症状がでることがあります。
  • 腺腫性ポリープ
    がん化のリスクが高いポリープです。発見したら切除する必要があります。

胃ポリープの症状

胃ポリープの症状はほとんどないですが、胃痛や吐き気、出血による貧血などが現れることがあります。
小さな良性ポリープは経過観察で様子を見ることが多く、大きい過形成性ポリープやラズベリー型胃癌は切除します。
良性ポリープでも、がん化するリスクはゼロではありませんので定期的な検査が大切です。
治療が必要な場合や腫瘍性ポリープでは外科手術が必要なこともあります。

胃潰瘍

胃潰瘍は胃の内壁に生じる潰瘍であり、消化液の作用によって生じます。
主に胃の内側の上部に形成されることが多く、胃潰瘍は慢性化して再発することも。 胃潰瘍が日常生活に与える可能性のある支障は胃痛による不快感、摂食の困難、疲労や体力の低下、心理的な負担などがあります。
胃潰瘍の症状や影響を正確に評価し、適切な治療を受けることが重要です。

【イラスト】胃壁の断面図イラスト

胃潰瘍の症状

  • 食後の胃や空腹時の十二指腸に発生する、刺すような痛み
  • 胸焼け、酸っぱい味、嚥下困難
  • 進行し出血がある場合、吐血や便の黒色化

ヘリコバクター・ピロリ菌について

ヘリコバクター・ピロリ菌という菌は、慢性胃炎や胃、十二指腸の潰瘍の原因のみではなく、胃がんの発生にも関与していることが最近明らかになりました。
日本はピロリ菌の感染率が高く、その感染率は年齢とともに高くなり、60歳の方の約80%がピロリ菌に感染しています。
このことが先進国の中でも特に日本人に胃がんが多い理由だといわれています。
ピロリ菌に感染すると慢性胃炎の状態になり、その結果、がんが発生する可能性が高くなるといわれています。がんが発生する前、すなわち慢性胃炎の状態をできる限り早く改善させることが、がんの予防につながるというわけです。
ピロリ菌は内服治療で除菌することができます。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍の発生と再発の予防のためだけではなく、胃がんの予防の観点からもピロリ菌の検査及び除菌治療は大変有用です。

大腸の疾患

大腸がん

大腸がんは、大腸の結腸または直腸で発生する悪性腫瘍です。
日本でのがんの死亡率は高く、特に50代以降の男女に多く見られます。
早期には症状がないことが多いため、検診を受けて早期発見と早い段階で治療することが重要です。大腸がんのリスク因子は、脂や肉を好む、野菜不足、喫煙や過度の飲酒などの生活習慣です。
また、一部の遺伝子変異も大腸がんの発症リスクを高めることがあります。

大腸ポリープ

大腸ポリープは大腸内壁にできる小さな腫瘍で、遺伝的要因や食生活、喫煙、肥満、高齢が関与する可能性があります。
多くは無症状ですが、症状としては血便や便中の血液、腹部痛や下痢、貧血、体重減少が現れることもあります。
検査には大腸内視鏡検査やバリウム検査、便潜血検査があり、50歳以上では定期的な検診をおすすめします。
ポリープが発見された場合は小さなポリープは内視鏡下に取り除きます。
大きなポリープや複数の場合は手術も必要となります。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸内部の炎症によって引き起こされる慢性の消化器疾患で指定難病の一つです。炎症は粘膜の表層から始まり、次第に潰瘍や潰瘍性炎症を形成します。

潰瘍性大腸炎の正確な原因は不明であり、自己免疫反応や遺伝要因、環境要因などが関与していると考えられています。
病気の進行によって、大腸の一部または全体が炎症によって傷つき、潰瘍、出血、下痢などの症状が現れることがあります。

【イラスト】潰瘍性大腸炎直腸型

潰瘍性大腸炎の症状

  • 下痢
  • 血便
  • 持続する腹痛
  • 重症化すると発熱や貧血、体重低下など

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(IBS)は、腸にポリープや炎症などがなくても、腹痛や下痢、便秘などの症状が続く状態です。
原因ははっきりしていませんが、ストレスや食事の変化、生活習慣の乱れ、腸の過敏性やバランスの変化などが関与していると考えられています。

過敏性腸症候群の症状

  • 下痢
  • 下腹部痛
  • ガス
  • 便秘

過敏性腸症候群の治療法

当院では、患者さん一人ひとりに合わせた治療法を提案しています。
治療法には薬物療法、生活習慣の見直し、食事の改善などがあります。
食事を改善するには、香辛料や刺激物を控え、食物繊維を摂ることが大切です。
ストレスや緊張を軽減するために、ストレス管理やリラクゼーション法も効果的です。

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